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里の獣・狸(タヌキ)

月のうち何日かは、栃木や千葉にある活動拠点で、生きものたちの様子を覗かせてもらっていますが、どちらの近くにもタヌキは暮らしているようです。まあ東京の都市部でも生活しているともいわれていますが。夜行性なので直に見ることはあまりありませんが、場所によっては人慣れしている個体もいるようです。

タヌキは漢字では里の獣と書かれるように日本人にはなじみ深い動物です。ただもともと中国ではタヌキは貉という字を充てていたようです。貉ムジナというと日本ではアナグマを指す場合が多いようですが。ちなみに中国で狸という漢字の表す動物は野生のジャコウネコに近いもののようです。

日本ではなじみ深いタヌキも、世界的にはわりと珍しい動物で、日本をはじめとする極東以外では移入により近年広がっている程度のようです。英名でRaccoon dogと言われる通りかなり犬に近い動物です。冬はふっくらとしたイメージですけど、夏毛のときの姿をみれば、確かに犬だなと納得できます。まあ、犬も放っておけばフカフカでぽっちゃりしたものもいますけど。

このどこか丸いイメージが、同列に見られがちなやはりイヌ科のキツネとの差を生んでいるようです。神の使いとまでみられているキツネに対して、タヌキはカチカチ山では老女殺しまでしているのですが、なぜか何となく憎めない人のよさそうな印象を持つ人が多いようです。対してキツネは狡猾な悪役ですね。

 そんなタヌキは夜間カメラに映ったときも、日中に人慣れした個体に出会っても、つがいでいることがほとんどです。これはタヌキの特徴で、子育て期以外でも一緒にいがちです。そもそも鳥類のように雄が子育てを手伝うイクメンの哺乳類もそれほど多くはないでしょう。タヌキの雄は偉いですね。 とりあえず動画で様子をご覧ください。



文福茶釜の寺・茂林寺

蛙センターと呼んでいる栃木の活動拠点は県南にあるため、群馬県館林の茂林寺はすぐ近くです。参道にはタヌキの像の並ぶ、ちょっと面白い境内です。

文福茶釜として知られているお話では、タヌキが茶釜に化けるというタヌキの恩返し的なストーリーとなっていますが、寺に伝わる話としては、ここの初期の僧侶の一人が実はタヌキだったというものです。居眠りをしたときに尻尾が出たのを見られてしまい自ら寺を去るという悲しいお話です。なので茶釜に化けてたりはしません。

寺の周りには里山や湿地が広がり、おそらく今でもタヌキが暮らしているのは間違いないようです。きっとお参りにもきていることでしょう。


童謡の寺・證誠寺

千葉の活動拠点は富津市にあるため、木更津の證誠寺もすぐ近くです。このお寺を有名にしたのは、「証 証 証城寺、証城寺の庭は」のもちろん童謡で知られる「狸ばやしの伝説」です。月夜の晩に和尚さんとおはやしを競って、ついには腹の皮が破れて死んでしまった大狸を、和尚さんが懇ろに葬ったという話で、ここには狸塚、童謡の歌碑などがあります。これは余計な話なのですが、昭和の昔、ドラマ『細うで繁盛記』のなかで冨士眞奈美演じる正子が歌っていたこれの替え歌が忘れられません。「しょしょ證誠寺、證誠寺のおなら、くっくっくせーで・・・おいらの友達ゃ黄色くなって死んじゃった」というようなものだったと記憶します。どうやら、それと似たような別の替え歌もあるようですが、少年だった私の心に刺さったこっちがオリジナルだと信じたいところです。

寺は木更津駅にもほど近く、町中にあると言っていいと思いますので、近くに暮らすタヌキがいるのかどうかわかりませんが、川沿いということもあるので、たまには山からお参りにも来ていることでしょう。